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今回の生産者インタビューは、福岡県三潴郡大木町で「い草」の栽培をされている松永武典さんです。松永さんは33年間、国産の「い草」にこだわり、栽培や製品開発に打ち込んでおられます。 |
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「い草」は13%以上の水分を含むと折れにくくなり、また引っぱっても切れにくくなるので、しっかり編み込むことができます。しかし水分が抜けると「い草」のスポンジによってふわふわした感触が味わうことができ、花ござの風合いも増します。こんな自然素材は化学繊維ではけっしてマネができません。また、収穫した後1週間の天日干しで自然なセピア色の「い草」ができます。やっぱり自然な色合いを出すには天日干しが一番です。 |
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現在、中国からの安い「い草」製品が市場に出回っていますが、中国の「い草」の収穫は日本より早い6月初旬です。6月初旬では「い草」が十分に成長する前に刈り取るため、「い草」はモロく折れやすい傾向があります。一方、日本では6月下旬~7月初旬の「い草」が一番育ちきったフワフワの時に収穫するため、太く弾力のある「い草」ができます。 |
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「い草」は元がしっかりしていると上に伸びます。10月~11月の寒くなる時期に植え付けをし、1月~2月の地表での成長がストップしている間に根を張ります。5月~6月にかけての暖かくなる時期に一気に上に伸び、6月の梅雨時期に成長がピークになります。寒い時期には凍結で割れないように水や肥料を調整し、暑い時期にはまっすぐ伸びるよう網を調整したりと、日ごろから「い草」と対話し、ピークの成長期にフワフワのイ草が取れるように力を入れています。 |
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「い草」は花が咲くと成長が止まります。理想のイ草は花咲きが少なく、まっすぐ伸びる「ひのみどり」等の品種を導入し、効率的に良質の「い草」が取れるよう努力しています。また、収穫後の「い草」(粗イ)には早生まれの「い草」も遅生まれの「い草」も混ざっているため、中の葉緑素の濃度が違います。これを丹念に選別して色合いを統一し、自然素材の風合いを出しています。これからも「い草」にこだわり、価格に負けないモノづくりを目指して取り組んでいきたいと思います。 |
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