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COLUMN

コラム

い草

繋がるものづくり-い草ラグ生産者 椛島一郎さんが語る、い草ラグの進化-

シリーズ「繋がるものづくり」では、イケヒコ商品に携わる全ての方々(生産者・加工先・開発者・お客様)の生の声を取り上げることで、イケヒコとお客様を繋げていく事を目的としています。

い草ラグ生産者 椛島一郎さんが語る、い草ラグの進化

今回は、福岡県の柳川市でイケヒコのい草ラグの生産に携わってくださっております、い草ラグ生産者の椛島一郎さんを取り上げさせて頂きます。

[職人]

椛島 一郎

Ichiro Kabashima

1955年4月17日生まれ。

18歳の頃から畳表の製造の仕事を始め、時流の変化に対応するためい草ラグの製造にも着手する。

以来、50年間に渡り第一線で活躍する大ベテランの職人。

仕事でもプライベートでも、日々様々な驚きや発見を楽しむ好奇心を大切にしている。

Interview


時代の変化からのスタート

い草ラグ生産者 椛島一郎さんが語る、い草ラグの進化仕事現場には、い草ラグを織り上げる機械のガチャンガチャンと言う音が響き渡る

ーこのお仕事を始められたきっかけを教えてください。

父親が畳表の製造をやっておりまして、私が高校3年生の年に「この仕事、やってみんか?」と父に言われました。

他の仕事も探してはいたのですが、「そっちの方が面白そうだな」と思い最初はお手伝い程度ではありましたが、後を継ぐこととなりました。

ーその頃はまだい草ラグは作られておらず、畳表の製造のみだったのですね。

そうです。しかし、中国からの畳表の輸入などの世の中の変化がある中で、このまま畳表の製造だけを続けていてはどうしようもならないと思い、い草ラグの生産を始めてみることにしました。

父からは「い草ラグの生産のやり方、本当に分かるとか?」と心配されましたが、私自身は「同じ人間がやりよる事やけん、なんとかなろうもん。」という思いでした。

最初は畳表の織機5,6台に対し、い草ラグの織機2台というスタートでしたが、徐々にい草ラグにシフトしていきました。

人間と同じように接する

い草ラグ生産者 椛島一郎さんが語る、い草ラグの進化機械には色とりどりのい草が並べられている。

ーそうだったのですね。実際のお仕事を拝見させて頂いて思ったのですが、い草の選別や機械の調子はどのように見分けていらっしゃるのでしょうか?素人目には、どこが違うのだろう?と思う事ばかりでして…。

機械に乗せるい草を選ぶときは、目が大事です。い草を広げて、折れていないか、傷が付いていないか、日焼けをしていないかなどをしっかりと見ます。

機械の調子を見るときは、五感が大事です。機械を見て、触って、音を聴いて、匂いを嗅ぐ。常に機械の調子を感じるように、心がけています。

ただ、今のやり方が絶対に完成形とは言えません。機械には全部個性がありますから。

人間と一緒ですよ。若いとき、機械が新しいときは、飛んだり跳ねたり打ったりしても、明日になれば調子は良くなりますが、おっちゃんくらいの年になると、調子が戻らんとですよ笑

そういうところを、人間がマッサージをかけたりするのと一緒で、機械も、「あんたこの間、ここ怪我しとったもんね、大丈夫かい?痛くないかい?」って診てやったり、油を注してやったりしています。

何事も、人間と一緒ですよ。人間と同じように扱ってあげたら、長持ち、長生きできると思いますよ。

思い出に残っていること

い草ラグ生産者 椛島一郎さんが語る、い草ラグの進化い草の選別の様子。「簡単そうに見えるけど、意外と技術がいるとよ。」と椛島さん。

―お仕事を通じて、嬉しかったこと、思い出に残っていることをお聞かせください。

始めてい草を買い付けに行った時ですね。19歳の頃でした。父から「”い”ば、買いに行ってこんか」と言われてですね。

最初は農家さんも私を見て、「この若い奴は何ね?」と相手にもしてくれませんでしたが、何度か通ううちに「あんた、何処から来たとね?」と聞いてくれるようになりました。

そこでようやく「そげん一生懸命来るとやったら、”い”ば分けてやるたい」と言われて、始めてい草を買うことが出来ました。それが最初の嬉しかったことでしたね。

大したい草ではなかったですが、父も、その時は何も文句は言いよらんかったです。

その代わり、「ちゃんと帳面付けとけよー」とは言われましたが笑

―素敵なお話ですね。

六重織りの開発

い草ラグ生産者 椛島一郎さんが語る、い草ラグの進化六重織りの商品「クレオパトラ」。最上級のい草のみで織り上げた最高級のい草ラグ。

あと、新しいい草ラグの柄が出来上がった時が一番嬉しいですね。

色々な人と会って勉強させてもらって、自分なりに「こうしたら、こういうい草ラグができるんじゃないか?」と考えて、柄版屋さんや機械屋さんと話して、新しい柄が出来た時がですね。

六重織りを作るときは苦労しました。普通、四重織りくらいまでだったら出来るのですが、六重織りは出来上がるのに3年かかりました。

でも、初めて出来上がったときは嬉しかったですね。最初は世間にもなかなか認められずにいましたが。

―イケヒコでも、六重織りの商品をご紹介させて頂いたときは皆さん驚かれます。

そうでしょうね。い草の製品とは思われないですよね。

自宅の座敷にも六重織のい草ラグを敷いていますが、よく絨毯と間違えられます。

「このい草ラグはどうね?」「それ、絨毯やないか」って笑

新しい驚きがまだある

い草ラグ生産者 椛島一郎さんが語る、い草ラグの進化その柄にあったい草を素早く選り分けていく。

ーそうなのですね笑 次に、椛島さんが長年、このお仕事を続けられてきた理由をお聞かせください。

楽しいからですね。さっき言ったように、まだ完成形じゃない、ずっと勉強中や、と。

それと一緒で、機械のトラブルにしても、い草を買うにしても、い草ラグを織るにしても、毎日「えぇー、こんな事があるとたい。」と思うような新しい驚きがまだたくさんあります。

気づかない人は気づかないかもしれませんが、自分としては「へぇ、この歳になってもこんなこと初めてやったぁ」と思うようなことがありますから、そういう意味では楽しいことだと思います。

あとは、やっぱり両親の代からやっている仕事で、自分一代でどうこうしたと言う話ではないので、そのような、みなさんからの流れで友達も出来て、イケヒコさんとも巡り会って、それがあってからこその今があるからですね。

仕事においても、人付き合いにおいても、嘘をつかないこと。それが基本だと思います。

―こうやって、私がお話を伺わせて頂いているのも、きっと何かのご縁だと思います。

きっとそうでしょうね。

日本の文化を残していかないといけない

い草ラグ生産者 椛島一郎さんが語る、い草ラグの進化ご子息の椛島裕喜さん。一郎さんが仕上げたい草ラグを丹念に磨いていく。

ーご子息の椛島裕喜さんがこのお仕事を継がれる事になったとき、どのように思われましたか?また、どのような事をお伝えになられましたか?

まず、不安でしたね。

息子がこの仕事を継ぐ事となった20年前、その頃がこの業界の過渡期でありましたので、大丈夫やろうかと。

でも、入ってしまったからには自分が持っているものは、教えきれることは教えて、自分が元気な内は教えきれなかったことも伝える事はできるので、あとは自分で判断して行ってもらえば、大丈夫だろうと思っています。

―椛島さんが考える、い草ラグ、い草の魅力を教えてください。

消臭力や湿度調整など、い草が持つ素晴らしい機能はもちろんですが、天然素材であそこまで綺麗に織れる織物は、い草以外にないと思います。

歴史的に見ても、鎌倉時代からあると言われていますが、良いものだからこそ、これほどまでに続いているのだと思います。

悪いものだったら、ここまで続いていないでしょう。

畳・い草製品は、継承、受け継いでいかないかんと思います。

日本の文化を残していかないといけない、そのような思いで頑張ります。

まずは使って頂きたい

い草ラグ生産者 椛島一郎さんが語る、い草ラグの進化終始にこやかに、穏やかな口調で貴重はお話を聞かせていただきました。

―私たちも頑張ります!では、どのような方に畳・い草製品を使って頂きたいですか?

私たちのい草ラグは、今までにない色彩や色使い、派手な色を使っていますが、幅広い年代の方にも好まれる、落ち着いた柄を表現できていると思います。

部屋のイメージを変えられる商品だと思いますので、下に敷くだけでなく、壁に飾って頂いても良いと思います。

それと、先ほど言った機能性。この機能性を一番実感できるのは寝ござや、い草インソールだと思いますので、まずはそれらを使って頂いて、次に私たちが織っているい草ラグを使って頂いて、部屋いっぱいに敷き詰めて頂けたらと思います。

ー貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

ありがとうございました。

い草ラグ生産者 椛島一郎さんが語る、い草ラグの進化ご子息の椛島裕喜さんと一緒に撮影させて頂きました。


収録日:2021年1月25日/2021年6月18日
収録場所:福岡県柳川市
インタビュー・撮影:伊東朋宏
企画:株式会社イケヒコ・コーポレーション


椛島一郎さんが生産していらっしゃる製品

DX ランクス

ワイン/ベージュ/ネイビー
  • 140×200cm
  • 176×230cm
  • 191×191cm
  • 191×250cm
  • 191×300cm

株式会社イケヒコ・コーポレーション

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