



人と地球にやさしいコットン。
オーガニックコットンとは?
人は元々、自然の力を借りて農業を営んできました。
しかし、経済発展や生産の効率化が求められる中、農薬や化学肥料を用いた農法が主流になりました。私たちが日々触れている綿も例外ではありません。
オーガニックコットンとは、3年以上農薬や化学肥料を使用していない農場で、厳しく管理された基準に基づき自然の持つ力を最大限に活用して育てられた綿のこと。環境への負荷を減らし、栽培する農家の健康や生活にも配慮した綿だけがオーガニックコットンと呼ばれるのです。
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1.種
遺伝子組み替えでない有機認定された種
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2.土壌
農薬や化学肥料を一切使わない有機土壌で栽培
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3.育成中
殺虫剤や除草剤を使わず、益虫や人の力で環境に負担をかけない
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4.収穫
枯葉剤を使わず、茎や葉が枯れる前に一つ一つ大切に手積み
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5.紡績・加工
他の綿花と混ざらないよう管理された紡績工場や縫製工場で製品化
わたしたちに出来ること
私たちは長年、インドの綿を使ったクッションや寝具などを販売しています。しかし、その原料である綿を栽培する時に使う農薬や化学肥料が、地球環境や農家の健康被害の負担になっているという事を知りました。
綿の生産量世界一位のインドでは、貧困や農繁期の人手不足などの問題で、約50万人の子どもたちが児童労働を強いられていると言われています。貧しい農家の子どもたちの中には、学校に通う事が出来ないため、十分な教育が受けられず、大人になっても読み書きが出来ない人も多くいます。
それ故、栽培に必要な種子などの買取交渉でも自身で判断できずに借金を背負ったり、文字が読めないために農薬や肥料の知識不足で、健康被害を被ったり、土地がやせて収穫量が減ったりと貧困のスパイラルから抜け出せずにいます。
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なにか、私たちに出来ることはないか?
そんなことを考えている時に、農家を経済的に自立させることで、コットン栽培現場から児童労働を無くすための支援活動をしている認定NPO法人ACEに出会い、一緒に支援活動の取り組みを始めることになりました。
PIC (Peace India Cotton)とは?
オーガニックコットンと認められるためには、様々な基準があり、農薬や化学肥料の問題だけでなく児童労働や栽培農家の健康にも条件は及びます。
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ACEが支援活動をし、児童労働が無くなり経済的にも自立した村ではオーガニックコットンを栽培するための条件がそろっています。
そこで、繊維商社の興和(株)の技術的なサポートを得てオーガニックコットンへの転作をすすめ、栽培されたコットンをP.I.C(PeaceIndia Cotton)と呼びます。
Organic Cycle 〜 農場から暮らしへの循環
P.I.Cは、Tシャツやタオルなどに製品化され、消費されることで、次のシーズンの栽培が可能になります。今までは私たちも、通常の綿を使用していました。しかし、このP.I.Cを使用し、生産、販売することで、コットン農家は次のシーズンも安心してオーガニックコットンを栽培できます。私たちは、オーガニックコットンでクッションやカーペットなどを現地の工場と提携して生産することで、そのサイクルを循環させていきます。
P.I.Cのサイクル
作る人と使う人、
共に幸せになれる
未来のために。
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栽培
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紡績
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生産
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クッション
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お客様
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代金
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農家
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子どもたちの夢
ずっと学校には行きたかった。ほかの子供が学校で勉強したり遊んだりする姿が羨ましかったけど、畑の手伝いがあるし親が怖いので言えなかった。今はみんなと学校にけることが幸せ。ちゃんと勉強して先生になりたい。
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農家の想い
親から引き継いだ農地は肥えていたが、化学肥料や農薬のせいで次第に土地を痩せさせてしまった。 オーガニックコットンに転作する事で再び土壌が肥えてきた。この農地を自分の子供に託したい。 オーガニックコットンに転作する事で、除草や防虫の手間は増えたが、その分近所同士で手伝うようになった。 男性は力のいる仕事、女性は除草など。もう子供は畑に連れて行かない。
いつか、オーガニックコットンを
特別な物ではなく、普通の素材するために…
欧米ではサステナブルな素材や環境や人に優しい素材を選ぶのがライフスタイルになっています。国連が掲げるSDGs。日本も批准し、企業や自治体、各種団体が活動をしています。しかし、まだ日本ではオーガニックコットンをはじめとしたエコな素材は割高なものとして認知され、少しでも安いものを提供する方がビジネス的優位を勝ち取っています。1人1人が少しでもサステナブルな素材を選択し、オーガニックコットンが普通の素材になるよう今後も発信を続けていきます。